四国遍路 第6週1





 第36日 11月6日  晴     走行119km 累計2,893km
                 (泊)宿坊「善通寺」(善通寺市)
  65三角寺 66雲辺寺 67大興寺 68神恵寺 69観音寺
 70本山寺 71弥谷寺 75善通寺


 当初の予定では、善通寺市の辺りは寺と寺の間の距離が短かいので自転車で回るつもりだった。しかし、少々疲れていることと夕方になって陽が落ちると寒いので車で回ることにした。これは正解だった。地図上では平坦に見えたが1,000m近い山の上にお寺があるのがあった。
 66番雲辺寺はお寺まで細い道が通じているが、ロープウェイに乗った。260mの山麓駅から900mの山頂駅までわずか7分で上がってしまった。
 この高さまで上がると紅葉が大分進んでいて、大きなカメラを持って写真を撮りに来ていた夫婦としばらく写真談義と旅行談義。









 一度宿坊に泊ってみたいと前々から思っていたので善通寺で泊ってみた。そこは善通寺の本堂に隣接して建っている鉄筋コンクリート造3階建てのホテルといった趣きの「いろは荘」という名前の建物だった。
 夕食は食堂でお遍路の団体が2組30人と歩き遍路が5人ほど。東京世田谷、埼玉県から来た人と隣り合った席。精進料理かと思っていたら刺身と天ぷらが御膳にのっていて、アルコールも出してくれる。
 明日の朝食は、朝6時からの「朝の勤行」が終わってからになると告げられ、強制ではないが、なるべく参加されたいとも言われた。
 
 宿坊の道路を挟んだ所に居酒屋があって、その店の名前が「空と海」。これは、空海ー弘法大師ではないか。   (後日泊った高野山の宿坊で、副住職にこのことを話したら副住職は「恐れ多いことです」)
善通寺宿坊「いろは荘」 居酒屋「空と海」



 第37日 11月7日  晴     走行66km 累計2,949km
 金毘羅宮         (泊)道の駅「宇多津」(香川県宇多津町)
  72曼荼羅寺 73出釈迦寺 74甲山寺 76金庫寺 77道隆寺 78郷照寺


 朝6時ちょっと過ぎに本堂へ行くと既に読経が始まっていて、30人ほどが住職の声に合わせて読経している。住職の脇に座っている8人ほどの僧侶も声を合わせている。私は無言で手を合わせているしかない。読経が終わると住職の法話があったが、これは分かりやすい話で意味が分かった。ここまでが約40分ほど。
 この後、戒壇巡りがあり、本堂の下の真っ暗闇の空間を巡る。左手で壁を伝いながら恐る恐る歩を進める。すぐ前を歩いている女性が「お大師様・・・・お大師様・・・・」と言っている。声から女性と分かるのであって姿は全く見えない暗闇の世界。
 戒壇巡りが終わってから、元の席に戻って再び読経があって御本尊に手を触れて全ての朝のお勤めが終えた。ちょうど1時間であった。
 ようやく朝食になったが、朝の勤行に参加しなかった2〜3人は既に食事を終えて出発するところだった。







 善通寺からちょっと足を延ばして金毘羅宮へ寄ってみた。奥社までの石段1,368段の石段登りは、学生時代に上ったことがあるし、この春の九州熊本での3,333段の石段登りで懲りたので、200段ほど上がった所で止めといた。 


石段の下の方にあった老舗の造り酒屋とうどん屋
  


 天保6年(1835)に建てられた旧金毘羅大芝居は「金丸座」と呼ばれ、現存する日本最古の芝居小屋として、国の重要文化財に指定されている。
 折りしも坂東玉三郎の歌舞伎興行が行われていたが、午後からの興行なので午前中は閑散としていました。






 第38日 11月8日  晴     走行31km 累計2,980km
                (泊)道の駅「香南楽湯」(高松市)
  79天皇寺 80国分寺


 一昨日・昨日と2日間で14ヶ寺も巡ったので、今日は2ヶ寺だけで切り上げて午後2時過ぎに道の駅に車を停めた。ここには温泉が併設されているので、昼間から温泉に入りゆっくりくつろぎ、夜は直ぐ近くにあったイタリアレストランでパスタとワインを飲んだ一日でありました。

79番 天皇寺


80番 国分寺


80番 国分寺



 第39日 11月9日  晴     走行82km 累計3,062km
 栗林公園 屋島       (泊)道の駅「源平の里・むれ」(高松市)
  81白峯寺 82根香寺 83一宮寺 84八島寺 85八栗寺


 お遍路の先頭になって案内する先達、これまでに目にしたのは白い装束ばかりだったが、この日初めて黒い装束の先達に出会った。黒装束の方が威厳があるように見えたのは目新しいからだろうか。





 このところ冷え込んでいるので、四国もちょっと高い所は紅葉が進んでいる。でも、僧侶は「こんなもんじゃないですよ。あと一週間もすればもっと綺麗になりますよ」と言っていました。








讃岐領主生駒高俊公が造園に着手し、続く松平家の歴代藩主が100年かけて完成させた栗林公園は見事です。
紅葉は未だ大分先になるようだが、11月下旬の紅葉の盛りにはライトアップされるそうです。








溶岩台地の上にある84番八島寺と85番八栗寺との間の入江が、源平の屋島合戦の地。
今では住宅地になっていてその面影は全くない。



いよいよ明日は四国八十八ヶ所お遍路の旅の最終日です。




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