四国遍路 第5週1





 第29日 10月30日  曇一時雨   走行66km 累計2,497km 自転車5km
 道後温泉                (泊)道の駅「風和里」(松山市)
  48西林寺 49浄土寺 50繁多寺 51石出寺 52太山寺 53円明寺


 どこのお寺に行っても必ずお遍路さんに出会う。団体で回っている人はマイクロバスでの遍路。大方の札所は大型バスは通行できないような細い道を上がって行った所にあるからだ。そして、大方のお遍路さんは高齢者ばかり。それに対して、歩き遍路は若い人がけっこういる。
 白衣は背中にお経が書いてあり、肩に掛けているのは同行二人と書かれた「さんや袋」。ちゃんとしたお遍路さんはこの中に数珠、お経、ろうそく、お線香等を入れてあるが、私の場合は納経帳だけ。
 この白い袋を買う時に「さんや袋」と教えてもらったが、漢字とその意味を知りたくなったので納経時に尋ねてみた。しかし、誰もまともに答えられなかった。ある坊さんは「我々はずた袋とも言っています。ずたは元々仏教用語ですから・・・・」。それで、肝心のことは「今度調べておきます」。





 51番石手寺前の駐車場に車を置いて、自転車で市内観光。
 道後温泉は日本最古の温泉、そのシンボル道後温泉本館は明治27年に建築された木造三層の浴場で、国の重要文化財に指定されている。入浴料500円也を払って入ってみた。高い天井に二つの浴槽があるこの温泉には秋山兄弟や正岡子規そして夏目漱石も入ったのだろう。





 温泉を出て写真を撮っていたら、子どもたちが石畳の清掃を行っている。近くの小学校の5年生の女の子で、男の子はバケツに水を入れて運んでいる。
 ちょうど見回りにやって来た若い男性教師に尋ねたら、「学級会で、子どもたちが何か道後の観光に役立つことをしようということで、自発的やっています」。



 この後、松山城や子規堂、秋山兄弟の生誕地へ行きたかったのだが、雨がポツリポツリ降り出してきた。
 急いで石手寺の駐車場に戻り、自転車を車に格納しようとしていたら、駐車場のおじさんが傘を差しかけてくれた。このおじさんも道後温泉前の小学生も松山は良い人がいる。

松山市内の52番太山寺、53番円明寺を巡ってから今治に向かって走り出した。
しかし、松山郊外でとんでもないことが起こってしまいました。
ことの経緯は明日・・・・・・



 第30日 10月31日  晴   走行41km 累計2,538km
 車の修理        (泊)道の駅「いまばり」(今治市)


 前日夕方、松山郊外でとんでもないことがことが起こってしまった。前を走っていたトラックが何かを落下した。私は常に前車との車間距離を広くとっているのだが除けきれなかった。運転席の床下にガツンという音がした。
 車を停めて見たら、運転席のフロアマットがタンコブが出来たように膨らんでいる。トラックは既に走り去っている。
 
 この日、開店するのを待つようにしてトヨタのディーラーへ行って見てもらった。車をリフトで上げて車の下部を見てもらったところ、運転席の下部が凹んでいる。メカニックは「お客さん、当たり所がもう少しずれてドライブシャフトかオイルタンクに当たっていたら、走行不能になっていましたよ」。
 不幸中の幸いーーーー同行二人弘法大師が護ってくれたのかなー。
 
 小さな穴が空いているかもしれないので、水が入らないようにその部分をシールドしてコーティング剤を塗ってもらった。メカニック「帰宅したら本格的な修理と、帰るまでの間時々点検した方がよいですよ」 当座、走行に支障はないようなのでホッとしたことでありました。
 コーティング剤が乾くのに2〜3時間かかると言うので、その間にサービスのコーヒーを飲みながら、HPの更新作業。

リフトアップされた車の下部から撮影

 この日の夜は道の駅「いまばり」泊り。ここで埼玉県羽生市から車でお遍路に来た人に出会った。数年前に奥さんを亡くし、その供養もあってこの春に40番の寺まで回ったので、今回は後半を回っているとのことでした。
 羽生さんはとても車の運転が上手な人で、車にはかすり傷一つ付いてなくて、傷だらけの私の車とは大違い。また、とても気の良い人でジュースを3本ももらい、翌朝にはミカン・イチジクもいただいた。これもお接待なのだろうか。



 第31日 11月10日  晴       走行74km 累計2,612km
 今治城             (泊)道の駅「しまなみ公園」(大三島)
  54延命寺 55南光坊 56泰山時 57永福寺 58仙遊寺 59国分寺


 これまでに外国人でお遍路をしている人に何人か出会っているが、34番青龍寺の石段ですれ違い「アンニョンハセヨ」と言ったら「おはようございます」 日本と韓国の国旗を付けた自転車で巡っている。ここには竹島問題など感じられなかった。
 今日、59番国分寺で出会った人はオーストラリア人で2回目のお遍路だと、流暢な日本語で語ってくれた。菅笠、白衣、金剛杖を持ち、首には輪袈裟(略式の袈裟)がかかっている。私よりもすーっと立派なお遍路さんです。



 今治城は三重の堀に海水を引き入れた特異な構造で、当時は海から堀へ直接船で入ることができるなど海上交通の要所今治らしく海を最大限に活用した城となっていて、日本三大水城の一つに数えられている。明治4年に火災が発生した際、内部の火薬に引火して爆発炎上し破壊された。その後、昭和55年に5層6階の天守が鉄筋コンクリートで再建された。



この後、明日のしまなみ海道サイクリングに備えて、車で大三島へ渡る。



 第32日 11月2日  晴     走行0km 累計2,612km 自転車49km
 しまなみ海道サイクリング    (泊)道の駅「しまなみ公園」(大三島)


 西瀬戸自動車道は、今治と尾道の間を大小9っの島を橋で結ぶ自動車道。これらの橋には自転車・歩行者用の側道が付いている。しまなみ海道はこれらの橋を通って走る全長80キロのサイクリングコース。
 全コースを走る体力は?なので、半分の大三島から今治の間を走ることにした。大三島に車を置いて今治に向けて自転車で走り出した。島の中は一般道を走るのだが、道路際にブルーのラインが引いてあるので道を間違うことはない。小さなアップダウンが多いが、車の通行量は少なく信号も少ない。そして、ほぼ全線にわたって幅広い自転車道が設けられていて走りやすい。。

 平日なのに多くのサイクリストが走っていて、休日には大変な人出のようだ。この日も愛知県から電車で来て、尾道でレンタサイクルを借りて走っている夫婦や、静岡から走りにきたサイクリストに出会った。
 来島海峡大橋を渡って今治に着いた所で、1,500mほど戻った馬島で今日のサイクリングは終了。大三島・今治間38キロだが、途中随分寄り道したので走行距離は49キロになっていた。馬島からは、自転車を畳み袋に入れてバスで車をデポした大三島に戻った。







来島海峡大橋馬島バス停(赤い袋に自転車が入っている)




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