四国遍路 第4週2





 第26日 10月27日  雨後晴        走行68km 累計2,231km
 伊方原発 佐田岬         (泊)民宿「美香」(佐田岬川之浜)


 朝起きて道の駅の最上階に上がったら大きなドームが見える。
 伊方原発は、佐田岬半島付け根付近の北側斜面にあり、瀬戸内海に面している四国唯一の原子力発電所である。既に定期検査を終えているが、福島第一原発の影響によって運転再開の目途が立たないため、全発電が運転を停止している。



 全長約50km日本一細長い半島「佐田岬半島」の突端に佐田岬灯台が立っている。豊予海峡を挟んで大分県佐賀関が間近かに見える。漁船が数隻漁をしているのも見える。
 
 この海峡で獲れるブランド魚のアジとサバは、佐賀関に水揚げされると、「関アジ・関サバ」。佐田岬に水揚げされると「岬アジ・岬サバ」と呼ばれている。なぜか、関東では関アジ・関サバが珍重されている。多分、岬アジ・岬サバも関東地方に出荷されるときには関アジ・関サバとして出荷されているのだろう。



対岸は大分県佐賀関 漁をする漁船が数隻


 今日夕方から明日午前中まで風雨が強いとの天気予報である。そのため今夜は車中泊を止めて久しぶりに民宿に泊まることにした。
 夕方、未だ雨が降り出していないので川之浜の漁港を散策。小学生二人が魚釣りをやっていて彼らが釣り上げたのは大きなアジだった。
 少し離れた所で松山から釣りにやって来た主婦3人はクーラーボックスを重そうに持っていて、「5時間ほど釣ったが、こんなに釣れたのは初めて」と言い、ケイタイ電話を取り出して嬉しそうな口調でお嫁さんに「今日は大漁なの。夕飯のおかず買わなくていいから・・・・」
 
 この夜、民宿で食べた岬アジと岬サバはとても美味でありました。そして、お酒もすすみました。
  



 第27日 10月28日  曇        走行110km 累計2,341km
 八幡浜の町並み 内子 屋根付き橋    (泊)道の駅「小田」(内子町)


 八幡浜の川之石地区は天保年間より海運業で栄え、明治期には愛媛県初の銀行、四国初の紡績会社が設立されるなど、地域の近代化をリードしてきた。
 当時の最新技術を取り入れた洋風建築や贅をつくした屋敷などが残り、当時の繁栄をしのばせている。





 旅行会社のツアーでの人気スポット内子は川を利用した水運の集積地、四国遍路や金毘羅参りの人々が往来した宿場町。また、江戸期から明治にかけて木蝋と和紙の生産地としても繁栄した。
 ちょうど日曜日だったので多くの観光客で賑わっていました。









 こてえ(鏝絵)は、漆喰を用いて作られるレリーフのことであるが、左官職人がこてで仕上げていくことからこの名がついたのである。
 内子には何軒か屋根の切妻にこれを施した家が残っている。昔、裕福な家は競ってこれを施したそうです。
 

 


 コーヒーを飲みたいなと思っていたら、「再来」(さらい)という喫茶が目に入った。
 お店に入るなり、ママさんが「お客さん英語話せますか?」 私はもちろん「ノー」。テーブルには和英と英和の辞書があり、オランダ人旅行者を相手にママは苦戦している。コーヒーを飲みながら二人して単語を並べて、なんとか会話は成り立ったようだった。
 このママさんも若い頃大阪で暮したことがあるUターン組。それにしても、辞書がすぐに出てくるなんて大したもんです。
  

  


 観光客で大賑わいの内子から北へ車で30分ほど走った石畳地区に、橋に桧皮葺きの屋根がかかっている屋根付き橋がある。
 屋根があることで橋の腐食を防ぎ、木炭製造が盛んだった頃には出荷の際の倉庫としても利用されていたそうです。

田丸橋


弓削神社橋



 第28日 10月29日  晴     走行90km 累計2,431km
 砥部焼         (泊)松山自動車道SA「伊予灘」(松山市)
  44大宝寺 45岩屋寺


 駐車場から急な石段の道をを20分余り上がった背後に崖がある所に岩屋寺は建っていた。よくこんな険しい所にお寺があるなと思った地である。それでも、かなり年配のお遍路さんが息を切らしながら上がって来て、読経している。
 にわか遍路は本堂で手を合わせたら納経所へ直行し、墨書と朱印を押してもらう。これで朱印は47ヶ寺になり、「お姿」と呼ばれる小さな紙片も47枚になった。

44番 大宝寺


45番 岩屋寺


岩屋寺のお地蔵さん


 岩屋寺を出て松山へ向かって走って行くと、「砥部焼の里」の大きな看板が立っている。
 砥部焼の磁器としての歴史は230年余。ぼってりとした白磁に呉須と呼ばれる顔料で描かれたシンプルな模様が映える。
 工房を見学したら、若い職人が一心に磁器を作っていました。




       


 


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