第22日 7月23日(火) 晴 走行79km 累計2,285km |
ヒグマ事件 道の駅「てしお」(天塩町) |
日本海に面した小さな町 苫前町の中心部から20数キロ、道路がどん詰まった所に昔小さな集落 三毛別(さんけべつ)集落があった。
大正14年12月冬眠を逸したヒグマが10人の婦女子を殺傷した事件があった。ヒグマは前日襲った家の通夜に再び現れ、その後隣家を襲った。ここには付近の婦女子10人が避難していた。激しい物音と地響き、窓を凄まじい勢いで打ち破り、囲炉裏を飛び越え巨大なヒグマが飛び込んできた。大鍋はひっくり返りランプは消えて逃げまどう女子供にヒグマは襲いかかってきた。
臨月の女は「腹破らんでくれ!!」「喉を喰って殺して」と絶叫し続け意識を失った。このヒグマは事件発生後6日目にやっと羆撃ちによって撃たれた。
これが世に言われている「三毛別ヒグマ事件」であり、作家 吉村昭が「羆撃ち」という小説を書いている。 |
第23日 7月24日(水) 晴 走行60km 累計2345km 自転車9km |
天塩町散策 サロベツ原野兜沼キャンプ場(豊富町) |
あまり広くない天塩町の中心部を自転車で散策していたら、レンガ造りの立派な建物が目に入った。天塩川歴史資料館と看板がかかっている。天塩川とともに歩んできた町の歴史を展示してある。この建物は元々は昭和26年に建てられた役場庁舎であったが、面白いことにレンガの積み方が建物の左側はフランス積みで、右側はイギリス積みになっている。
ここにいた若者は役場の職員で、「見学者は一日平均5〜6人でゼロの日もありますよ」。彼は留萌で生まれ育ったが、ここへ来たのは留萌に仕事がなかったからだとも言っていました。「兎に角仕事がないんですよ」の言葉に実感がこもっていました。 |
この町にも厳島神社がありました。海の神様を祀る神社だから、当然のことなのだが、鳥居から本殿までの距離が実に長い。いかにも土地の広い北海道辺境の神社であることを物語っているようです。 |
第24日 7月25日(木) 曇 走行0km 累計2,345km 自転車10km |
兜沼サイクリング 兜沼キャンプ場 |
兜沼キャンプ場で小鳥のさえずりで目覚めたら、なにやら動物が動いている。キタキツネだ。急いでカメラを取り出して一枚撮ったが小さい。望遠レンズに付け替えたときにはキタキツネは去っていた。
遠くで汽車のガタゴトという音が聞こえる。郷愁を誘う音だ。ここは宗谷本線に近い。あと4駅行けば日本最北端の駅「稚内」である。
天気があまり良くなく空はどんより曇っていて、天気予報も日中にわか雨があると言っている。あまり遠走りしないで、兜沼を大回りに一周するサイクリングコースを走ることにする。よく整備されている平坦な道で走りやすい。アヤメやハスの花が今を盛りとばかりに咲いているが、関東地方と比べると花の時期が1ヶ月以上遅いようだ。 |
しばらく走っていくと、農作業車の音がする。近寄っていったら、牧草地で刈り取って乾燥した牧草を寄せ集めて牧草ロールにする作業をしているところだった。しばらく眺めているとその速さに驚く。またたく間にロールが出来上がる。
サイクリングコースには「農作業車優先」の立札が立っている。 |
乾燥した牧草を寄せ集めている
寄せ集めた牧草をこの車でロールにしていく
オトンルイの風力発電(一直線に30基ほど並んでる)
第25日 7月26日(金) 晴 走行0km 累計2,345km 自転車8km |
豊富町ビール祭り 兜沼キャンプ場 |
サロベツ原野の一番北にある兜沼キャンプはきれいなキャンプ場で、3年前に1週間もいた所である。嬉しいことにキャンプ場の管理人は私のことを覚えてくれていた。
樹林の中のテントサイトの街灯の電線は地中下されていて、芝生もきれいだ。、炊事場もトイレも良く清掃されている。管理棟には休憩所が設けられていてインターネットも無線ランが施されている。日がな一日ここで写真の整理やHPの更新をして、飽きたら沼の辺りをサイクリング。そして、夕食はビールを飲みながら食べるジンギスカン鍋はまことに美味。そう、頼めばジンギスカンを用意してくれるのです。 |
バンガロー
キャンプ場には道内からキャンプに来た人もいるが、本州からの旅行者やライダーも多い。彼らはみんなテントを張っていて、そのうちの何人かは休憩所に来て旅の話に花が咲く。
沖縄から来た母子3人に出会った。彼らは千歳まで飛行機で来てレンタカーで道北を旅行している。母親が語ったところによると〜〜〜
以前に、親子4人で北海道を旅行したことがあるんですよ。
昨年秋に、夫が突然病気で他界してしまったんですよ。
親子4人での楽しかった北海道の旅行を思い出しながら旅行してるんですよ。
「ちょっとセンチメンタルな旅なんですよ」と言いながらも、二人の小学生の子供の前では明るく振舞っていました。
「これから、礼文島へ渡ります」と言って、車を走らせて行きました。 |
神奈川県藤沢市から来た親子3人は、小学生の女の子のアトピーの湯治に豊富温泉に来ていて、ここのバンガローに泊まって温泉に通っている。
夕方になって、藤沢さんは「豊富町で青年部のビール祭りがあるから一緒に行きましょう」と誘ってくれた。ビール祭りだから当然にお酒を飲むことになるので、藤沢さんの車に同乗させてもらって出かけることになった。
「第25回JA北宗谷豊富町青年部ビールまつり」と大書された会場には既に多くの人が集まっている。焼肉の鉄板が4〜50台用意されていて、思い思いに肉や野菜・焼きそばを焼いている。藤沢さんには名古屋や静岡から湯治に来た温泉仲間が寄ってきて会話が弾んでいる。そのうちに、地元の若者も交じり話が弾みビールも弾んだ。若者が言うところによると、この町は人口4,000人だが、牛が15,000頭もいるそうだ。 |
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