z



第 2 日
マンダラハット(2700)〜ホロンボハット(3720)




 前日散策したマウンディ・クレーター入口まで行き、ここでクレーターへの道と分かれてほんの少し登ると植生ががらりと変わった。これまでの背の高い木はすっかりなくなって、腰ぐらいの高さの草木になって見通しがよくなった。
 天気が良ければこの辺りで目指すキリマンジャロのキボ峰が見えるはずなのだが、残念ながら薄曇りの天気でキボ峰を眺めることは出来なかった。

ジャイアントセネシオ
                          
   
ジャイアントロベリア   トリトマ   プロティア


昼 食
 途中小休憩をとって2時間ほどで小広い台地(MASHEU PONT)に着いた。ここには休憩用のベンチやトイレがあり、ここで昼食ということになった。朝出発時にもらったビニール袋を開けると,中にはピーナツバターのサンドイッチ、ゆで卵、オレンジ、バナナ、ニンジンが入っていた。飲み物は、ガイドが運んでくれた陶器製のマグカップにコーヒーやチャイ(お茶)を注いでくれた。







カラス
 昼食時、我々が食事をしているまわりにカラスがうろうろして餌を漁っている。日本のハシブトカラスよりちょっと大きめであるが、人を襲うことはなさそうだ。ガイドに聞いたらホワイトネックラビン(White-necked raven)という種類のカラスである。
 このカラスは身体全体は黒いが、首の周りだけがまるでマフラーを巻いているかのように白くなっている。鳴き声は、日本のカラスより汚いだみ声である。



BABU(バブ)
 私は、英語をあまりしゃべれない。それでも、カタコトの英語でガイドやポーターと会話を交わした。彼らの母国語はスワヒリ語であるが、おおむね英語が通じる。
 ガイドのエリアと会話しているときに「私には孫がいる。」と言ったら、いきなり「バブ」と言った。スワヒリ語でバブとはおじいちゃんのこと。それ以来、エリアは私に声をかける時「バブ」と呼びかけるようになり、二人のサブガイドやポーター達もそれにならうようになった。
 
 仲間うちでは、60歳がバブだったら、メンバー中最高齢の66歳は何て呼ぶんだということになり、結局グレイト・バブ(Gバブ)ということになった。
 我々は、山頂で記念写真を撮るためにちょっと大きめの横断幕を持参していた。下山したときに、エリアがこの横断幕に“
BABU  MTU  MZURI”とスワヒリ語で書いてくれた。日本語に直すと「おじいちゃんは、頑張った。」という意味らしいが、後日調べたところによると、MZURIには「元気」という意味もあるようだ。


高山病
 キリマンジャロの登山口マラングゲートの標高は約2000mで、最終の山小屋キボハットは約4700mである。この間、ごく一部に車の通行が困難な所があるものの、大部分はちょうど北アルプス上高地から横尾への道のような車の通行が可能な道である。これを3日もかけてゆっくり歩くのは高度順化のためである。
 高山病はかかり易い体質の人とそうでない人とかなり個人差があるようだ。私の場合は3日目の最終の山小屋キボハットで、はっきりとその症状が現れた。まず食欲がなくなり、無理に食べても吐いてしまった。そして、5500mを越えるあたりからは、お酒を飲んだ二日酔いと船酔いが同時にきたような状態で、何度も嘔吐してしまった。
 高山病の予防には、出来るだけ多く水分を摂ってどんどん排泄して新陳代謝をよくすことが効果的だとのことだ。毎日3リットル以上飲むように言われていたが、そんなにガブガブ水を飲めるものではない。
 また、高山病の予防薬ダイアモックスをナイロビで買って(日本で入手出来なかった)用意していたが、私の場合はあまり効果がなかった。
 幸にも我々はお世話になることはなかったが、ホロンボハットには高山病でどうにもならなくなった人を運ぶための一輪車が置いてあった。



低木帯を行く〜〜ホロンボハットは間近だ。



ようやくホロンボハットに着いた



ホロンボハット3720m
 ホロンボハットは登りの登山者も下山の人も泊まるので、マンダラハットに比べると宿泊棟の数が多い。宿泊棟の造りはマンダラハットとほぼ同じであるが、こちらは6人用なのでこの夜はメンバー5人が一緒に寝ることができた。食事等をする棟は室内の真中にストーブがあることを除けば、建物の造りはマンダラハットと同じである。

食事等をする棟


宿泊棟 (6人用が数棟ある)

ポーターが食事準備中の小屋 荷物を運ぶポーター


ゼブラロック
 夕食までの間に高度順化のためもあって、ハットから340分登った所にあるゼブラロックまで散策。ここは富士山を超える標高4020mであり、初めて体験する高度で酸素が薄くなったように感じる。
 ゼブラロックはその名のとおりシマウマの縞模様のような不思議な大きな岩である。地層線であれば横方向であることが多いが,多分それが捻られて縦模様になったのであろうと、チーフガイドのエリアが言っていました。。



 ホロンボハットに戻って食堂棟で食事。ポーター兼コックが腕を振るった食事は豪華で美味しいのだが、あまり食が進まない。そして、いっ時したらお腹の具合が何かおかしい。急いでトイレに駆け込み嘔吐してしてしまった。どうやら高山病の症状が現れたようです。嘔吐は一回だけだったが、この日は早くベッドに入って4000mの高所での眠りについた。
      (この日の歩行時間 8:15〜14:15)


登山第3日 へ  キリマンジャロTOP へ