小鹿田焼(おんたやき)は、大分県日田市の山あい、皿山を中心とする小鹿田地区で焼かれる陶器である。その陶芸技法が平成7年に国の重要無形文化財に指定され、地区全体が「小鹿田焼の里」の名称で重要文化的景観に選定されている。 (平成24年3月26日 訪れる) |
小鹿田焼は、宝永2年(1705)柳瀬三右衛門により開窯された。技術的には初期は唐津焼、後には高取焼、小石原焼の影響を受けた民陶で、古くは瓶・壺・鉢・茶碗などの日常雑器を主に作っていた。 皿山周辺で取れる粘質性の高い原土(もとつち)を原料とした陶土(とうど)は、川の流れを利用した唐臼で粉砕し、「土こし船」でろ過を行っている。 |
蹴轆轤(けろくろ)を使った陶器作りでは、刷毛目・櫛描(くしがき)・飛びガンナなどの技法を用いて独特の模様を描き、仕上げには木炭・藁灰・長石・銹石を原料としたララシ釉(透明)・地釉(飴)・セイジ(緑)・黒釉(黒)などの釉薬を生掛けする。 製品は登窯を使って昼夜休まず三日三晩かけて焼き上げ、窯入れは各窯元ごとに年5〜6回行なわれる。 |
その後、天日で数日間乾燥させる。 |