戸  定  邸


( 千葉県松戸市  平成27年12月4日 )


 戸定邸は、江戸幕府最後の将軍徳川慶喜の弟で、最後の水戸藩主、徳川昭武が明治17年に完成させ、後半生を過ごした邸宅です。眼下に江戸川、遠くに富士山を望む見晴らしのよい高台に、ほぼ完全なかたちで残るこの邸宅は、旧大名が明治になって大名の下屋敷の様式に倣って建てたものです。




戸定邸への入り口の門



玄  関


 徳川昭武は、兄である将軍徳川慶喜の名代として、わずか13歳でヨーロッパ各国を歴訪し、パリで学んだ人です。そのためか純和風の住宅から望む庭園は、芝生を敷き詰めるなど西洋風でもあります。
 明治維新により多くを失う一方で自由な時間を得た徳川慶喜・昭武兄弟は、この戸定邸で写真撮影や狩猟などの共通の趣味を存分に楽しんでいました。





戸定邸主屋の平面図




表座敷棟の客間と、客間に続く二の間



玄関から表座敷棟に続く廊下(右手は中庭)



座敷から庭を見る




裏座敷棟に行く廊下から中庭



裏座敷棟に行く廊下から中庭


  
客間の欄間と電燈(大正時代に付けられたらしい)



 戸定邸は昭和26年に昭武の息子である徳川武定が土地と建物を松戸市に寄贈し、現在は「戸定が丘歴史公園」「戸定邸」として公開されている。
 戸定邸の庭園は芝生の庭がきれいです。この庭から邸を眺めてみたかったが、庭に出られるのは月に3日間だけであり、訪れた日はその日ではなかった。(下調べが不十分でした)


庭園からの邸の全景(パンフレットから)


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