( 千葉県佐倉市 平成28年1月28日 )
堀田邸は佐倉藩最後の藩主、堀田正倫により明治23年に建設された。江戸期に見られる大名屋敷の伝統的な造りを踏襲する貴重な建物として、国の重要文化財に指定されている。 堀田正倫は、わずか9歳で家督を継いだ。佐倉藩の最後の藩主として激動の幕末から明治期を生きる中で、農業と学問の必要性を感じた正倫は、自らの財産を投げ打って農業試験場や佐倉中学(現佐倉高校)の設立に尽力するなど、先進的な考えを持っていた。 |
表玄関
堀田邸は純和風建築でありながら、構造材の結合部にボルトを用いるなど、当時最新の西洋建築技術を取り入れ、耐震性を高めた画期的な造りとなっている。 母屋は玄関棟、座敷棟、居間棟、書斎棟、湯殿の5棟からなり、それぞれの棟に役割を持たせた大名屋敷の特徴を残している。格式高い書院造を基本としながらも、場所ごとに釘隠しの意匠や壁の色を変えるなど、訪問客に配慮した工夫が施されている。 |
畳が敷かれた廊下
畳が敷かれた廊下
主屋は、身分や格式を意識した造りになっている。家の出入り口は3ヶ所(往時は5ヶ所)もあり、それぞれ出入りする時期や人の違いによって使い分けされている。そして、雪隠(トイレ)も各部屋の床の間の後ろにあり部屋ごとに使い分けられていた。 |
離れの部屋に通じる廊下
離れの部屋
離れの部屋
離れの部屋
庭園からみた主屋
庭園からみた主屋
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