五 條 新 町


 五條新町は、中世に起源を持つ五條村と慶長13年(1688)に二見城主松倉重政が二見村の一部に築いた城下町の新町からなり、古くから交通の要衝として栄えていた。
 現在でも国の重要文化財である日本最古の町家 栗山家住宅をはじめ、江戸時代から昭和初期の約4世紀にわたる町家が残っている。
 ( 奈良県五條市  平成28年10月29日 )









五條新町には江戸から昭和にかけての建物が残っていて、各時代の建物の様子を見せてくれている。約900mの通り沿いには文化財の指定を受けている江戸時代の町家をはじめ、蔵や寺社、昭和初期の近代建築など様々な建物が建ち並んでいる。









屋根の形は切妻造りと入母屋造りがあり、入母屋造り妻入りの建物は明治時代以降に建てられたものに多い。町家は桟瓦葺きのものが多く、本瓦葺きの建物の多くは18世紀以前に建てられたものである。









外壁と2階軒裏を漆喰で塗り籠めた塗家造りと、柱を見せる真壁造りの建物がある。塗家造りは江戸時代から大正時代に建てられたものに多く見られ、大正時代から昭和初期に建てられたものは真壁造りのものが多い。












創業300年の造り酒屋 山本本家







新町通りには小さな小路がたくさんある。家の間から吉野川(紀の川)へ出る小道や住宅地の中をまるで網の目のように入り組んだ小道など、一っ一っが趣のある光景です。



正面奥の階段は吉野川の堤防



石畳が施された路地




幻の五新鉄道跡地  五新鉄道は五條から紀伊半島を縦断して和歌山県新宮までを結ぶ計画であった。昭和14年に着工し途中中断を繰り返し昭和40年にようやく路盤が完成した。しかし、昭和56年の国鉄再建問題で完成目前だった事業は凍結されてしまった。今はその高架下が車庫などになっている。



幻の五新鉄道



重要文化財に指定されている栗山家住宅は、慶長12年(1607)の棟札を持ち、建築年代が分かる民家では日本最古のものである。この住宅は当時の有力商人の家らしく大きく立派な構えであり、入母屋造り・本瓦葺きの反りの強い屋根を持つ建物です。



栗山家住宅



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