( 長野県塩尻市木曽平沢 平成29年8月27日 )
長野県南部の木曽平沢は中山道に沿って東西を山に囲まれた細長い町であり、木曽漆器の産地としての歴史が古く、江戸時代にまで遡っています。特に近世以降に産地として発展し、平成18年に漆工町として国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。 |
中山道が部分的に湾曲しているため、地割が街路と直角ではない。そのため建物は雁行して建ち側面が連続して見える。街路と建物の間の空地は、江戸時代の大火後に3尺づつセットバックしたものであり、主屋は敷地いっぱいに間口を取らずに空間を持たせている。しかし、所有はあくまでも自分のもの「吾持ヵ」という意からアガモチと呼ばれている。 |
主屋は、中二階建てが多くかつては板葺石置屋根だったが、現在では鋼板葺きになっている。間口は3間が標準的であり、平面は南側の通り土間に沿って表からミセ、オカッテ、ザシキが一列に並んでいる。 |
主屋の背後には漆器生産のための付属屋が建っていて、漆を塗る建物は塗蔵(ぬりぐら)と呼ばれ土蔵造りの建物が多い。 |
工房の一軒を見学した。中山道に面した店から細い通路を入って行くと、1階では下地付けや研ぎの作業が行なわれ、2階では埃を極端に嫌う中塗や上塗が行なっている。1階から埃が進入することのないように階段を間仕切るようにしているとのことです。2階の作業場では主と若い女性の職人が漆塗りの作業をしていた。 |