寺町寺院群


( 金沢市  平成29年5月16日 )


 金沢城の西側 犀川大橋を渡り蛤坂と呼ばれる坂道を上って行くと、その辺りには寺が建ち並んでいる。旧鶴来道と旧野田道という二本の街道に沿って、約70もの寺院が建ち並ぶ、金沢最大の寺町です。
 この寺院群の町並みは、金沢城の東側 卯辰山山麓寺院群と共に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。






 寺町寺院群は、金沢市寺町・野町にある寺院の総称である。藩政期に一向一揆に対する防衛策として、犀川流域にあたるこの地に寺院が集められた。同じように金沢城の東側の卯辰山には卯辰山山麓寺院群、南東の小立野台地には小立野寺院群が形成された。
 寺町寺院群は70近くの寺院が立ち並び、市内の三つの寺院群の中で最大規模である。



香 林 寺



西 方 寺



常 徳 寺



成 学 寺



 寺町寺院群に建つお寺の一つに、「忍者寺」と呼ばれるお寺がある。正式名称は正久山妙立寺。寺町を築いた前田利常によって、寛永20年(1643年)に創建された。
 その本堂には落とし穴や見張りの望楼が備わり、また庫裏の外観は二階建てなのに内部構造は4階建てであるなど、まさに忍者寺と呼ばれるにふさわしい、外敵をあざむくための様々な仕掛けが施されている。これは、寺町が城下町の防衛のために造られたためで、この妙立寺は寺町寺院群の防衛拠点だったのです。
 不思議な仕掛けを持つ妙立寺は観光スポットとしても人気であり、この日も数10人の観光客が堂内を見学していました。




妙 慶 寺



伏 見 寺



法 光 寺



立 像 寺



 これだけの数の寺院があれば、当然ながら鐘の数も多く、朝や夕方にはあちらこちらから鐘の音が鳴り響いているそうです。情緒豊かな寺町の鐘の音は、「寺町寺院群の鐘」として日本の音風景100選にも選定されています。



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