山 町 筋


( 富山県高岡市  平成29年5月17日 )


 山町筋は土蔵造りの建造物が多く残る町である。高岡の町は明治33年(1900)に大火災が起こり、高岡の町の約6割、山町筋の家屋ほとんどが被災した。その中でも元々土蔵造りであった2軒の家屋が焼け残った。
 その後、旧北陸街道沿いの裕福な大店が多かった山町筋には防火性の高い土蔵造りの建物が多く建てられた。現在でも土蔵造りの旧家が42棟建ち並んでいて、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。















旧室崎家住宅 (現 土蔵造りのまち資料館)
 室崎家は現在の当主で9代目になる家で、明治初期にこの場所に移ったものであり、昭和20年代まで綿糸や綿布の卸業を営んでいたが、室崎氏の転居により高岡市が資料館として整備し一般公開している。
 主屋は、北陸街道に面して建ちその後方には中庭を挟んで土蔵が建っている。間口4.5間、奥行8間半で、その間取りは3列3段の土間の町家である。

















菅野家住宅
 菅野家は、明治初頭に5代の伝右衛門が北海道との通商で財を築いた。明治22年に高岡銀行を設立し一方で政界にも進出して、高岡政財界の中心的存在として活躍した。
 主屋は明治33年の大火の後に建築された土蔵造り、2階建て平入りの町家で、黒漆喰仕上げの重厚な外観と正面庇の天井飾り、軒を支える鋳物の柱などにも鮮やかな装飾が施されていて、重要文化財に指定されている。(この建物は現在でも菅野家の住居として生活の場になっている。)













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