禅 林 街

一昔前に石川さゆりが、「上野発の夜行列車 おりた時から 青森駅は雪の中〜〜」と歌っていた青森は、今や新幹線で東京から3時間半になった。 この春の弘前城のさくらに続いて、今年2回目の弘前行きです。
( 青森県弘前市  平成26年9月14日 )


 弘前城から少し行った所に、道路を挟んでお寺が何軒も並んでいる。「一の門」という砦の門のような黒門をくぐると、一番奥の長勝寺まで続く並木道沿いに33の曹洞宗の寺院が建っていることから、「禅林街」と呼ばれている。寺院の数が33であることから禅林三十三ヶ寺の通称もある。同じ宗派の寺院が、まとまって建っている所は全国でも稀です。







 黒門は江戸時代中期に建てられたもので、禅林街の最も奥に境内を構え、弘前藩の藩主津軽家の菩提寺となった長勝寺の総門として位置付けられている。


黒 門



黒門を潜って入って行くと、一直線の杉木立の道が続き、その両側にはお寺の山門が連なっている。


禅林街の並木の道



杉並木の両脇には32のお寺の山門が連なっている

















 禅林街の最奥に長勝寺がある。その入り口が三門であり、普通は「山門」と書くが、ここでは「三門」と書く。この門は寛永6年(1629年)津軽藩2代藩主信牧により建立されたもので高さ16メートルもあり、国の重要文化財に指定されている。
 三門とは禅宗の教え「三解脱門」を略したもので、禅林街入口の黒門、中門ときて三つ目の門だから三門と呼び、ここを通りぬけることにより、煩悩から解脱し極楽浄土に導かれるそうです。


長勝寺三門



 長勝寺の本堂は、寺の本堂らしからぬ建物である。2代藩主が建立したもので、曹洞宗の本堂建築としては日本最古のものです。そして庫裡は大浦城の台所として使用されていた建物の木材を使用して建てられたと言われ、大浦城の台所として100年、長勝寺庫裡として400年、合わせて500年の歴史がある庫裡です。
 この庫裏は弘前城の出城の機能を持ち、寺院として重要視された弘前市禅林街「長勝寺本堂・庫裡」。建築当初の姿に修復復元されて公開されていると、副住職の奥さんが丁寧に説明してくれました。


長勝寺本堂




 禅林街から15分ほど歩いた所に、国指定の重要文化財「最勝院五重塔」が建っている。
 最勝院五重塔は、津軽藩祖津軽為信による津軽統一の際に戦死した人を敵味方の区別なく供養するため、4代目藩主信政の時代 寛文7年(1667)に建造された塔である。塔の高さは31mで、東北一の美塔と讃えられいて、五重の塔が少ない東北地方では極めて貴重な五重の塔といわれている。


最勝院五重の塔


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