韓国の大統領府 青瓦台の後に三角形の山が見える。この山はソウル城郭の最高所 北岳山(342m)である。
城郭は1300年代の末に築かれたもので、総延長18キロにもおよび平地は土城、山地は山城になっている。この付近一帯は特定警備地区として、ここ40年間民間人の立入りは禁止されていたが、3年ほど前に城郭の一部への立入りが開放された。
とは言っても、警備は厳重で、彰義門の入口で申込書に住所・氏名・年齢等を記入して提出しなければならない。さらに外国人の場合はパスポートを提示して本人確認を受け、パソコンにパスポート・ナンバーや氏名を入力してから、IDカードが交付された。城郭内ではこれを首から下げていなければならない。カードを吊るす紐の色が我々4人は赤だったが、青や黄色を付けている人もいて、これで何かを識別しているようだ。
彰義門を潜って急な石段の城郭を登って行くと、いたる所にトランシーバーを手にした警備の若者が立っている。写真撮影も制限されていて、決められた場所で決められた方向しか撮ることが出来ない。
なにしろ、ここは北朝鮮との国境 板門店から4〜50キロしかないし、大統領府青瓦台は城郭のすぐ下である。途中には軍事施設らしきものや迷彩服の兵隊も見える。
やや緊張しながら数100m毎にいる警備員に監視されながら進んで行くと、1時間ほどで北岳山に着いた。
ここにも警備員が2人もいて、乾杯の缶ビールを飲み始めたら、飲酒は駄目だと咎められた。彰義門でもらったパンフレットを見てみたら「城郭内は禁酒・禁煙・ごみ持帰り」と日本語で書かれてあった。でも、警備の若者はビールを飲み終えるまで後を向いてくれていて、なかなか気の利く好青年だった。
曇り空であったが、ソウルの街並みが見えるし、北側には一昨年登った北漢山(ブッカンサン)も見える。でも、警備員の目が厳しく写真を撮れない。
北岳山を後にして東側の城郭入口 マルバウィ案内所へ向かって下って行く。こちら側は所どころ石段があるもののゆるやかな石畳の道である。粛靖門を横に見て城郭東側の入口マルバウィには1時間ほどで下った。
この城郭が一般に開放されてからまだ日が浅いので、韓国人でもここを訪れた人は少ないようだ。 (平成21年2月14日歩く)
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