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無人になった雄武の開拓集落 紋別から北へ40キロ弱の雄武町、さらに西へ30キロ程走ると雄武町上幌内(かみほろない)という集落がある。小学校・中学校の門柱と雑草が生い茂った校庭があるが校舎はない。付近には今にも倒れそうな家が点在している。無論辺りには人の気配は全くないが、電柱は施設されているので電気は通じているようだ。上幌内郵便局と書かれた建物があり、呼び鈴があって「御用の方は押してください」と書いてあるので押してみたが何の応答もなかった。 この集落のことをもっと知りたくて、雄武町の中心部に戻って役場へ行ってみたら、総務課の年配の職員が詳しく教えてくれた。 上幌内は明治時代の末に開拓が始まり多くの入植者があって、大正時代の初頭には小学校や中学校も開校した。その後多くの農家が住み商店も出来て郵便局も開局した。だが、昭和から平成に変わる頃からポツポツと離農者が出て、学校は平成2年に閉校した。そして、つい数年前には最後の1軒がこの集落を出て現在は無人になっていて、北海道電力はこの地区への送電を停止したとのことだ。 そんなことを話しているときに一人の女子職員が出てきて、「既に他界した私のおじいちゃんは廃校になった小学校の卒業生です」と言う。 |
平成22年7月 |
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