3,333段の石段
熊本市の南30数キロの美里町に石段の段数が日本一だと言われている石段がある、この石段は釈迦院というお寺の参道であり、釈迦院は標高900m近い山の山頂近くにあって参道の入口の標高は240m、石段の頂上は810mであり、その標高差は570m、距離は3qもある。昔から御坂参道という山道の参道があったが、町おこしのために、当時の熊本県知事細川護熙(後の総理大臣)が「日本一づくり運動」を提唱し、それに呼応して8年の歳月をかけて昭和1988年に石段が完成したものである。
石段に使われている石は熊本県の名石をはじめ日本各地の石が使われ、中国・韓国やロシア・アメリカなど世界7ケ国の石も使われている。
2012年5月にこの3,333段の石段登りに挑戦した。山登りをいくらかやっているので歩くことには多少自信があり、たかが3キロ、600メートルの登りだとなめてかかったのは間違いだった。
登り始めの100段、200段は快調に登って行ったが、1,000段を超える辺りから徐々に普通の山登りと勝手が違い足の運びが鈍くなってきた。石段の両脇は大木が生い茂り周りの景色など何も見えない単調な石段が延々と続いているだけである。
2,000段を超えると、5月上旬の薄曇りの日だったが額にはうっすらと汗を掻いてきた。陽が照っていたら大変だろうなと思いながら、只もくもくと足を運んで3,000段目の標石が見えた。あとは惰性で足を動かすだけである。
そして、やっと石段の頂上に着いた。そこには大きな御影石の標石が立っていて、標石には「白龍が昇るがごとし石段は 三、三三三で日本一」と彫られていた。
登り始めてから途中休憩したこともあって2時間近くもかかってしまった。でも、なんとなく達成感があった石段の登りでありました。
900m近い山の上なので下とは気温差があるようで少しひんやりしていて、辺りは靄がかかっていて眺めなどなにも無い。登り口で写真を撮っていた親子も登ってきた。二言三言言葉を交わして下山にかかった。
下りは快調で、足の動きに任せて30分余りで下ってしまったが、膝がガクガクになってしまった3,333段の石段の上り下りでありました。
2012,5,2
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